オレ流お膝元・万博の楽しみ方 in AICHI

万博禁止令には実はとおちゃんの下心があったと思う。
「むしろ行きたくない。」
かねてよりの思いをカミングアウトすることは避けつつも、
とりあえず万博は保留しようという下心があった。
禁令が長引くにつれてそうした下心が透け出し、
かあちゃんは、とおちゃん、長男を締め出す
過激な万博計画の可能性を探り出すが
それには事情があった。


いつもドライな父似の妹が、意外にも
根拠は無いが確かに強固な万博熱を隠しもせず、
たとえ万博にいけなくとも、
自分の分の券を使うことには猛反発していたのだ。
理不尽極まりなし。お兄ちゃんはいつも困っている。

有休をとってでも、マンモスが見たい。
万博とはイコールマンモスであり、
三菱、日立、ドイツ、日本館、並み居るパビリオンにさえ
一蹴「なにやってるか知らん。(激怒)」、それよりマンモスをこの目に焼き付けたい。
焼き付けて東京のやつらに伝え広めたい。被爆した語り部のごとくな。
仕事への情熱は皆無でも、冷めた纏いからすかし見える
熱いものをお兄ちゃんは知っていた。

9月4日
会場までどうやっていくかを心配したが、
思ったほど混雑することなく西ゲート近くの駐車場にピットインした。
9月4日は連休の混雑を見越した客が集中し、最高入場者数を記録した
翌日の日曜だったにもかかわらずのことであり、
台風の接近と入場制限予告がブレーキになったのかもしれない。
ゲートへの途中で便所に行くと大便器用のものが小便器前に散乱していて、
修羅場だった。
駐車場から会場に入るまで約1時間かかり、入ってすぐ日本館の待ち時間が
210分と表示されているのを見てもう達成感にみたされた。
当然とおちゃんはおれ以上に充実感を感じ、早々に疲労感へと到達したようだったが、
マンモス好きの妹ためにとりあえずグローバルハウスに向かった。
整理券を渡されたが、集合時間までに時間があったので、
昼を食べようと、
「アジアの飯がくいたい。」
と恐る恐る言ってみるも、
そもそもニートに発言権などなく、
「入口近くになんかあった。」
聞く耳持たないとおちゃんはファーストフードへ一目散。
万博をエンジョイする気ゼロだからこその落ち着きで、
的確かはともかく速さ重視の判断力を見せ付けられた。
万博は行くまでに楽しみ、会場で果敢にテンションゼロ
はひとつのありうるスタイルだと思った。
この後も待ち時間や待ち行列の長短で、目指すパビリオンは容赦なく
取捨選択されていった。
ポストマンモスの手持ち無沙汰な妹と、
視界に入った外国パビリオンをとりあえず提案しつつも、
実は阪神と競馬が気になるとおちゃんを引き連れて、なお万博は十分楽しめた。
25才。家族で行くとちょっと恥ずかしいが、もっかい行きたいぜ万博2005。
【入ったパビリオン】
グローバルハウス(マンモスショートカット)、韓国、中国、中央アジア各国、スペイン、イタリア